昼間の眠気
いびき
無呼吸など
睡眠に関する
ご相談は
当院の睡眠専門医にお任せください
医療法人GSGL会
福岡浦添クリニック 理事長・院長
略歴
昭和28年 福岡市生まれ。
昭和47年福岡高校卒業。昭和54年自治医科大学を卒業。平成元年に博士号取得、自治医科大学で講師を務め
平成3~5年ハーバード大学医学部ベスイスラエル病院(感染症部門)リサーチフェロー。
帰国後、熊本大学医学部遺伝発生研究施設で講師を務め、
平成11年仁愛会理事を経て福岡浦添クリニックの院長となる。
日本睡眠学会認定医
認定内科専門医
総合内科専門医
アメリカ血液学会会員
今年は、「平成」という時代が終わり、新しい元号になります。昭和生まれの私には時代の経過スピードが非常に早く感じます。
新しい元号になって生まれた人は、昭和に我々が青春時代を過ごしていた時の「明治」時代のような感じで、「昭和」をものすごい昔と感じることになるでしょう。
当院は2000年(平成12年)1月4日に開院して、今年でもう開院20年目に入り、時代の流れの早さを痛感させられます。当院は、睡眠医療専門クリニックとしては、全国で2番目に開設しました。
当初から、睡眠診療のみに特化し、睡眠障害に対して「継続・集中・徹底」をモットーに診療してきました。
このような地道な診療により最近、「優秀臨床専門医doctor of doctors network」(ティーペックKK)の選出と
「福岡の相談できる専門医」(西日本新聞社)に選ばれ、老舗のコンサルタント会社から東京での講演会を依頼され、また、出版社からの出版依頼など、最近少しずつ評価され始めてきました。
このような評価を得た理由は、優秀な職員達が一生懸命に仕事を果たしてきてくれたことが原因であると思っており感謝しています。同じ仕事をコツコツと積み重ねることの重要性を認識させられています。
今年も睡眠医療の向上をめざし、睡眠障害で悩んでいる患者さんの役に立つべく一生懸命に職員一同頑張っていく所存です。
今年もよろしくお願い申し上げます。
2019年1月
副院長
豊島 秀夫
Hideo Toyoshima
MD. Ph.D.
日本睡眠学会認定医
認定内科専門医
日本呼吸器学会専門医
医師
加藤 雅子
Masako Kato
MD.
日本睡眠学会認定医
糖尿病専門医
総合内科専門医
診療内容:
睡眠障害全般・内科/呼吸器科・こころの病気・禁煙外来・ED外来・カウンセリング
午前 09:00 - 12:30 |
午後 14:00 - 18:00 |
午後 18:00 - 19:00 |
|
---|---|---|---|
月 | ○ | ○ | ○ |
火 | ○ | ○ | 休診 |
水 | ○ | ○ | 休診 |
木 | ○ | 休診 | 休診 |
金 | ○ | ○ | 休診 |
土 | ○ | 休診 | 休診 |
※日曜・祝日は休診です。
※新患は予約制です。お電話にてご予約をお願いします。092-737-2111
こころの病気 : 水曜日午後のみ
禁煙外来 : 火曜/水曜日午後のみ
カウンセリング : 金曜日午後(15:00~19:00)のみ
※新患・再診とも予約制です。
午前 09:00 - 12:30 |
午後 14:00 - 18:00 |
午後 18:00 - 19:00 |
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月 | 豊島 秀夫 加藤 雅子 派遣医師 ※1 |
山口 祐司 豊島 秀夫 加藤 雅子 ※6 派遣医師 ※1 |
山口 祐司 豊島 秀夫 派遣医師 ※1 派遣医師 ※2 |
火 | 山口 祐司 豊島 秀夫 派遣医師 ※1 |
山口 祐司 豊島 秀夫 派遣医師 ※1 |
休診 |
水 | 山口 祐司 豊島 秀夫 派遣医師 ※1 派遣医師 ※1 |
山口 祐司 豊島 秀夫 加藤 雅子 派遣医師 ※3 |
休診 |
木 | 山口 祐司 加藤 雅子 派遣医師 ※1 |
休診 | 休診 |
金 | 山口 祐司 豊島 秀夫 加藤 雅子 派遣医師 ※1・4 |
山口 祐司 豊島 秀夫 加藤 雅子 派遣医師 ※1・5 |
休診 |
土 | 山口 祐司 豊島 秀夫 派遣医師 ※1 派遣医師 ※1 |
休診 | 休診 |
※1 派遣医師
予告なく変更する場合がございます。詳細はクリニックにお問い合わせください。
※2 歯科
月曜日(第1・3 18:30~19:00)
※3 精神通院療法
水曜日(第1・3・5 14:00~17:00、 第2・4 14:00~18:00) 予約制
(九大心療内科)
※4 心理療法
9:00~12:00 予約制
(臨床心理士)
※5 カウンセリング
15:00~19:00 予約制
(カウンセラー)
※6 14:00~16:30まで
・新患は完全予約制です。お電話にてご予約をお願いします。TEL : 092-737-2111
・紹介状がある場合はその旨をお伝えください。
・保険診療のため保険証を必ずご持参ください(ご持参ない場合は自費診療となります)。
・お薬手帳・血液検査の結果(1~2か月以内でコピー可)がありましたら
ご持参ください。
・初診時に採血・心電図・肺機能検査がある場合がございます。
※待ち時間を含めて2時間程かかる場合がございます。時間には余裕をもってお越しください。
厚生労働省の規定によりCPAP使用を開始した月の翌月から2か月に1回の診察が必要になります。
定期的に医師の診察を受け効果的な治療を維持してください。
また、定期受診することにより健康保険の適応となります。
受診の無い月は健康保険の適応外となりますのでご注意ください。
予約は必要ありません。
3割負担 | 2割負担 | 1割負担 |
約4,500円 | 約3,000円 | 約1,500円 |
保険証と診察券をご持参ください。
必ず患者様ご本人が来院の上、医師の診察を受けてください。
CPAP(本体及び部品)の故障や消耗品の交換は、必ず故障品や劣化品をご持参ください。
診療終了時間の30分前までには受付をお願いします。
月末・週末は大変混雑しますので時間に余裕をもってご来院ください。
睡眠ポリグラフ検査(PSG)とは脳波・眼の動き・顎の筋電図・心電図・呼吸・酸素飽和度・いびき・下肢の動きなどを記録し
睡眠の質(深さ)や無呼吸・いびきの有無などを調べる検査です。
検査には入院(一泊二日)が必要で保険診療が適用されます。
※入院案内「夜間PSG検査」参照
3割負担 | 2割負担 | 1割負担 |
約17,000円 | 約12,000円 | 約6,000円 |
CPAPタイトレーション検査とは睡眠ポリグラフ検査で無呼吸やいびきが1時間あたり20回以上見られ、
医師によりCPAP(持続陽圧呼吸療法)による治療が必要と判断された患者さまに対してCPAP圧(風の強さ)を設定し
いびきや無呼吸を予防することで、良好な睡眠が得られるようにする検査です。
検査は鼻マスクを装着し睡眠ポリグラフ検査と同様に睡眠状態を記録しながら遠隔操作にてCPAP圧を調節します。
検査には入院(一泊二日)が必要であり保険診療が適用されます。検査翌日にはCPAP機器の貸出があり自宅で睡眠時に使用してもらいます。
CPAP療法の患者様は2か月に1回の通院が必要です。
※患者さま「再診の方」参照
3割負担 | 2割負担 | 1割負担 |
約20,000円 | 約14,000円 | 約7,000円 |
反復睡眠潜時検査(MSLT)とは日中の眠気の強さ(寝付くまでの時間など)を調べる検査で2時間間隔で
計5回(9時、11時、13時、15時、17時)検査を行います。
検査はベットに横になり眠るようにしてもらいます(検査以外は眠らないようにしてください)。1回の検査は約30分で終了します。
検査前夜から入院(睡眠ポリグラフ検査)が必要であり保険診療が適用されます。
※入院案内「日中検査」参照
前夜PSG検査 + 翌日MSLT検査 | その他 |
約19,000円 | 別途、処方料などが必要な場合がございます |
覚醒維持検査(MWT)とは日中の覚醒維持能力を調べる検査で2時間間隔で計4回(9時、11時、13時、15時)検査を行います。
検査は暗い部屋で座位になり40分間眠気を我慢してください。
検査は保険診療が適用されません(自費)。
MWT検査 |
30,000円 |
アクチグラフ検査とは一定期間腕に装着して日常生活の活動量を測定・記録し、そのデータから
「休止・活動のリズム(睡眠覚醒パターン)」を把握する検査です。
※本機器は非防水のため、入浴および激しいスポーツ等の時は外してください。
携帯型検査は自宅で簡易的な装置を患者様ご自身で装着し呼吸・いびき・酸素飽和度などを記録する検査です。
患者様は入院することなくご自宅で検査を受けることができますが、簡易検査のため記録する情報が少なく
正確な診断ができないことがあります。
その時は入院によるPSG検査が必要になります。
また、患者様ご自身が機器を装着するため良好な記録ができない可能性があります。
睡眠日誌(2週間記録用)は下記より印刷可能です。
--- 印刷はここから ---
保険証・診察券・入院申込書・(CPAP貸与契約書)をご提出ください。
入院費は現金もしくはカードでお支払いください(19時30分を過ぎるとカードは使用できませんのでご注意ください)。
担当者がお部屋にご案内します。
食事・シャワー等を済ませてください。
※整髪剤・化粧水等は使用しないでください。
飲酒された場合はお酒の種類と量を担当者にお伝えください。
動脈採血は必要な方のみ実施します。担当者が検査室までご案内しますのでお部屋で待機してください。
採血後は10分程採血部位を圧迫し十分に止血をしてください。
※気分が悪くなられた方はお申し出ください。
21:00以降にセンサー装着を行います。
装着開始時間は担当者よりお伝えします。お手洗い等済ませてお部屋で待機してください。
時間が前後することがございますので早めの就寝準備をお願いします。
検査機器の装着に約30分程かかります。検査に支障がでますので携帯電話の電源はお切りください。
センサー装着終了後より検査開始致します。
※睡眠剤など就寝前の服薬がある方は薬剤名と量・服薬時間を担当者にお伝えください。
検査は約7時間記録します。お仕事等で翌朝早めにご退院希望の方は事前にお知らせください。
検査中寝返りは自由にできます。お手洗い・空調の調整等はコールボタンでお知らせください。
終了時間になりましたら担当者がお部屋に伺いますのでそれまでは目が覚めても横になっていてください。
シャワー室もご使用になれます。
お帰りの準備が整い次第ご退院となります。事務手続き等はございません。
※機器の貸し出しがある方は担当者よりご説明がございます。
検査結果がでるまで2週間程かかります。お帰りの際か後日お電話で結果説明の予約をされてください。
無呼吸(低呼吸)とは10秒以上呼吸が止まることを言います。無呼吸(低呼吸)が1時間あたり5回以上で、
かつ昼間の過度の眠気・集中力低下・夜間覚醒・疲労感・倦怠感などの自覚症状を伴っている病態を
「睡眠時無呼吸症候群」と診断します。
睡眠時無呼吸症候群は乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層に認められ、
一般成人の中に多数の潜在患者の存在が指摘されるありふれた病気です。
高血圧・不整脈・脳卒中・虚血性心臓病などの循環器疾患、
過労死・夜間突然死との関連も指摘されています。
更に仕事や学業の成績の低下・性格の変化・性的能力の低下・交通事故の危険性
の増加など重大な社会的問題になっています。
米国での推計によれば睡眠時無呼吸症候群の患者ではそうでない人に比べて高血圧は2倍、
冠動脈疾患は3倍、脳血管障害は4倍の合併率であり、さらに自動車事故の発生率は7倍にも増加することが報告されています。
睡眠時無呼吸症候群は、中枢型・閉塞型・混合型に分類されます。
多くの場合空気の通り道である上気道、とりわけ口腔咽頭の
閉塞による(閉塞型)換気停止が反復して起こります。上気道の筋緊張の低下により舌根が落ち込み、気道を閉塞し、様々な臨床症状が出現します。
原因の3分の2は肥満で、3分の1は下顎の解剖学的特徴(小顎症や下顎後退症)が原因です。従って睡眠時無呼吸症候群は必ずしも肥満の人ばかりでなく、
非肥満の人も無呼吸症の人がいます。
正常時
無呼吸時
睡眠時の無呼吸により夜間の中途覚醒、日中の過度の眠気や倦怠感・起床時の頭痛・
インポテンツなどの症状が引き起こされます。また、このような様々な症状が長期間にわたって続くことにより高血圧症・虚血性心臓病・
脳血管障害・多血症・突然死などを発生します。
睡眠時無呼吸症候群の確定診断をするためには睡眠ポリグラフィ検査(Polysomnography:PSG)を行います。
この検査は一晩入院して、脳波・心電図・鼻からの空気の流れ・胸部と腹部の動き・眼球運動・動脈血の酸素飽和度などを連続して記録します。
A:一般的治療法(生活習慣の是正)
①睡眠中の体位の工夫
仰向けで眠ると、舌根や軟口蓋が沈下、気道が狭くなったり閉塞したりします。従って仰向けで寝ることを避けて、横向きのまま眠ると症状の軽快が
認められることがあります。
②減量
睡眠時無呼吸症候群の重症度に関して肥満は重要な危険因子です。従って減量によって無呼吸の程度や上気道の
閉塞を軽快させることもあります。我々のデーターでは7%の体重減少で無呼吸重症度が有意に低下します。
③飲酒や睡眠剤の服用の中止
アルコール、睡眠導入剤、抗不安剤などは咽頭の筋肉を弛緩させ、気道の閉塞を
引き起こしやすくします。一方、薬剤の服用を中止することによりその反動がでることもあります。
④点鼻剤
点鼻剤投与によって鼻粘膜のうっ血を改善することにより「いびき」や「無呼吸」の程度を軽快することがあります。
⑤口テープ
口を開くと気道が狭くなりますので、口テープにより閉口して「いびき」などが改善することがあります。
B:特異的治療法
①経鼻的持続陽圧呼吸療法(Nasal Continous Positive Airway Pressure:nCPAP)
本治療は鼻マスクを装着し、一定圧を加えた空気を鼻から送り込み、閉塞しやすくなっている
上気道を強制的に開かせる治療法です。ほとんど全ての睡眠時無呼吸症候群の患者さんに有効で、多くの患者さんへの治療の第1選択とされています。
副作用はほとんどありませんが、のど、鼻の乾きや締め付けすぎによる痛みが生じることがあります。
②マウスピース装着
上下の歯の間に固定し下顎を前方に動かす治療法(Prosthetic mandibular advancement:PMA)です。下顎を4~7mmだけ移動させ、気道の閉塞を改善します。
口が開けられないマウスピース(スリープスプリント)や口が開けられるマウスピース(MPA)などいくつかの種類のマウスピースがあります。
単純性いびきや軽度~中等度の睡眠時無呼吸症候群の患者さんに有効です。
③外科的療法
閉塞型睡眠時無呼吸で上気道に形態的異常(アデノイド、扁桃腺肥大など)のある症例に対して外科的治療が行われます。
ⅰ)口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(Uvulopalatopharyngoplasty:UPPP)及び扁桃腺切除術(tonsillectomy)
この手術は、口蓋垂・口蓋扁桃・軟口蓋の一部を切除して気道を広げる手術です。効果的な治療法のひとつですが、年齢や術式によりその効果は個人差がみられます。
ⅱ)レーザー手術
最近、いびきの治療法のひとつとして行われるようになってきました。しかし、この治療法は「いびき」に対する治療法であって、睡眠時無呼吸症候群に対しては
ほとんど効果はありません。
ⅲ)顎前方移動術
上顎骨と下顎骨に切り込みを入れて、前方へ移動し、上気道を拡大する手術です。
周期性四肢運動異常症(PLMD)は、夜間睡眠時ミオクローヌスとも診断され、
睡眠中繰り返して四肢の筋肉がピクピクけいれんすることを特徴とします。
異常運動は普通、 下肢に出現しますが、腕にも生じることがあります。
下肢に生じる場合の特徴は約30秒くらいの間隔で拇指(足の第一関節) が繰り返して伸展すると同時に、足関節、膝関節、などが屈曲する運動です。
この運動異常は一晩中持続することはありませんが、入眠時に起こり眠りに入ることが困難なため十分な睡眠を得ることができなくなり、
その結果、昼間眠くなることがあります。この異常運動によって時々、一緒に寝ている人をけったり、布団をはらいのけたりします。
又、ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群と合併して出現することがあります。原因は不明ですがこの病気の頻度は高く、年齢とともにその頻度は
増加します。アメリカの報告では、30歳~50歳で5%、50歳~65歳までで25%、65歳以上で44%の頻度です。男性と女性ではその頻度に差はありません。
不眠症と診断された20%の患者が、この病気が原因で不眠症を呈していると考えられています。
患者さんの訴える症状で睡眠ポリグラフ検査に
より適確に診断することができます。
治療はベンゾジアセピン系薬剤などにより不眠などの症状の改善がみられますので専門医を受診することをお勧めします。
「先生。もし私の症状を治療できないならば私は自分の足(脚)を切断します。」
「もし、私が脚を動かし続けないならば虫が皮膚の下を這い回る感じが解消しません。」「私の足(脚)が勝手に動き回つてます。」上記の供述は、
むずむず脚症候群を経験していない人にとっては信じられないと思われるかもしれません。しかし、この病気の患者にとっては非常に現実的な
証言なのです。
この病気は健康的な人に認められ、精神的な病気とはほとんど関係ありません。病名が示すとおりに、この病気は主に脚(下肢)に
出現しますが、腕(上腕)にもむずむずした感じは認められます。下肢の非常な痛みを感じる人もいますが「こむら返り」の様な筋肉のつつばった
痛みではありません。この異常感覚は「むずむずする、虫が這う感じ」などと表現されますが、皮膚の表面の異常感覚ではなく、
より深部に生じているように感じます。異常感覚は主に目が醒めているときに出現しますが、就床して安静になると増強して眠れなくなります。
訴えとしては、昼間の眠気よりは不眠の訴えが多いようです。また、自動車、飛行機などの移動中や映画館・コンサート中・仕事中にも異常感覚が
出現することもあり、日常生活に支障をきたすこともあります。
有病率は健常人の5~10%といわれていますが、年齢とともにその頻度は高くなります。
男女間においてその頻度に差は認められますが、妊婦で(とくに妊娠後期)11%、血液透析患者の15~20%、関節リウマチ患者の30%にこの病気が認められます。
むずむず脚症候群(RLS)患者の大部分は周期性四肢運動異常症(PLMD)を呈しますが、逆にPLMD患者の大部分がRLSを呈するというわけではありません。
家庭療法、すなわち、温浴・下肢マッサージ・温冷湿布・規則的運動・カフェイン及びアルコールの中止などにより、この病気が軽快することがあります。
これらの療法が無効な時は、専門医による薬物療法が行われます。
ナルコレプシーは日中に強い眠気を感じ発作的に眠り込む病気です。退屈な状況や食後だけでなく普通は眠り込まない状況下
(食事中・歩行中・運転中・性交中など)でも眠り込んでしまいます。
しかし、その眠気は睡眠をとっても完全には回復しません。
その結果、社会生活の場によっては生命にまで重大な支障をきたします。
ナルコレプシーに対する根本的な治療法はまだ発見
されていませんが、この病気の患者さんは病態に対して適切な治療・対処により正常の生活を行うことが可能です。
(ナルコレプシーの4特徴)
1)過度の昼間の眠気:
過度の昼間の眠気は、この病気の中心的な症状です。眠気は時間及び場所を
選ばずに起こります。眠気により意識レベルも低下するため、仕事中の事故や交通事故も珍しくありません。この眠りの発作は、
30分以内の持続で2~3時間の間隔をおいて出現することが多いです。
2)情動脱力発作(カタプレキシー):
情動脱力発作は、
笑ったり、怒ったり、驚いたり、といったような強い情動が引き金になって、筋肉の緊張が突然消失する発作です。具体的には
瞼が閉じたり、話が出来なくなったり、頭や腕がだらんとしたり、突然座り込んだりします。発作の持続時間は大体1分以内ですが、
稀に20~30分間続くことがあります。又、発作中は十分に意識があり、患者さんは何が起こっているのか十分理解しています。
3)睡眠麻痺:
睡眠麻痺は入眠時や起床時に筋肉を動かそうとしても動かせない状態です。いわゆる「金縛り」と呼ばれる現象です。
しかし、健康な人でも「金縛り」を体験することは珍しくありません。この現象は、覚醒から急速にレム(REM)睡眠に移行すること
によって生じます。このレム(REM)睡眠とは、入眠して約90分くらいして出現する睡眠相です。
(レム睡眠以外の睡眠相をノンレム睡眠と呼びます。)睡眠麻痺は前述したカタプレキシーと異なり、人から触れられた時にこの症状は消失します。
4)睡眠幻覚:
入眠時幻覚は、布団に入ってウトウトしているときに出現する鮮明な現実感のある幻覚です。怪しい人間や奇妙な動物が
侵入してきて危害を加えるというような恐ろしい幻覚があることが多いようです。
5)その他の症状:
ⅰ)夜間睡眠障害:夜間の睡眠障害はナルコレプシー患者の60~80%に出現します。昼間の眠気より、夜間の睡眠が分断されます。
ⅱ)視覚障害:眼瞼下垂、かすみ眼、複視(物が二重に見える)などの視覚障害を呈することがあります。
ⅲ)精神症状:不安、抑うつ、集中力減退、記憶障害、社会的引きこもりなどの精神症状も認められます。
ナルコレプシーの原因は、脳脊髄液中のオレキシン(別名ヒポクレチン)という神経ペプチドがほぼ消失しており、
このオレキシンの減少が病気の原因と考えられています。従って、ナルコレプシーは精神病や心理学的障害によって生じる病気ではありません。
家族性に発症することも報告されています(10%位)が、大部分は遺伝性ではありません。
最近、ヒト主要組織適合抗原(HLA)クラスII領域に存在するHLA-DQ抗原とナルコレプシーが関連することが報告されています。
この報告により、ナルコレプシーが何らかの自己免疫疾患ではないかという仮説もあります。
ナルコレプシーは、日本人の600人に1人がナルコレプシーと推定されています。発症年齢は10代の発症が多く
(発症ピークは14~16歳)、25歳以前の発症が70~80%を占めます。
この病気の診断の第一歩はナルコレプシー以外の病気を除外することです。そして次のステップとして睡眠の専門家を受診することです。
睡眠センターにおいては診察後、ナルコレプシーと疑われたなら、睡眠ポリグラフ(PSG)検査と反復睡眠潜時検査(MSLT)を受けます。
反復睡眠潜時検査は日中に2時間以上毎に5回睡眠ポリグラフ検査を行い入眠潜時を測定する検査です。5回の検査で2回以上の
入眠時レム睡眠が認められれば、ナルコレプシーの可能性があります。
ナルコレプシーに対する治療はまだ見つけられていませんが、
それぞれの症状をコントロールすることにより、かなり正常の生活を行うことができます。患者さんにより訴える症状が異なっていますので、
それぞれの患者さんに合った治療を行わなければなりません。
治療方法は、薬物療法の他に支持的な精神療法が行われます。
又、職場の人や配偶者及び家族の人達にこの病気に関して教育を行うことも大事なことです。
睡眠中に暴力行為を起こす人の割合は、15歳~100歳の電話での聞き取り調査から2% と報告されている。
そのうち、レム睡眠行動異常症 (RBD) による暴力行為は4分の1 の0.5% と考えられている。RBD 患者の90% は男性で、50歳以上である。
パーキンソン病患者の25% が、RBDを疑わせる症状を呈している。
睡眠ポリグラフ検査 (PSG) を使った検討では、睡眠障害を訴えるパーキンソン病患者の47% がRBDであると報告されている。
RBDは、レム睡眠中の筋電図(EMG)の活動増強及び夢を見ている状態と関連した筋肉の活動性(睡眠中の異常行動)によって特徴づけられる。
症例の60% が特発性(他の病態と関連がない症例)で、残りの40% が神経変性疾患(パーキンソン病やレビー小体認知症など)、
くも膜下出血、脳血管障害、多発性硬化症、及び、脳幹腫瘍のような神経疾患と関連する。
ナルコレプシー患者においてもRBD合併が多いことが報告されている。
ナルコレプシーの症状の一つである情動脱力発作の治療に使われる三環系抗うつ剤、SSRIなどがナルコレプシー患者におけるRBDの引金になることがある。
1)RBD患者の睡眠中の環境(寝室)の安全性を確保する。
2) 薬物療法
① クロナゼパム(ランドセン®、リボトリール®) (0.25mg ~ 1mg 経口)
90% の患者に効果が認められる。しかし、慢性閉塞性肺疾患、腎機能障害、肝障害、急性狭隅角緑内障患者には使用できない。
② イミプラミン(トフラニール®)、カルバマゼピン(テグレトール®)及びプラミペキソール(ビ・シフロール®)
③ メラトニン又はメラトニン受容体作動薬(ラメルテオン®)
地下鉄:
七隈線「六本松」駅下車、2番出口より徒歩2分。
バス:
西鉄バス「六本松」バス停下車徒歩3分。
お車:
当院に駐車場はございません。近隣のコインパーキングをご利用ください。
睡眠障害センター
福岡浦添クリニック
〒810-0044
福岡市中央区六本松2-12-19 BCCビル9F
TEL : 092-737-2111
FAX : 092-737-2113
E-mail : fukuokasleepcent@nyc.odn.ne.jp
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